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外傷に伴う出血に対する輸血の必要性を評価するTASHスコアの小動物臨床への応用

投稿者:武井 昭紘

外傷に伴った出血が重度であった場合に、失った血液を補うべく輸血療法が検討される。そのため、人医療では、輸血療法の必要性を把握するTrauma-Associated Severe Hemorrhage(TASH)スコアなるものが開発されているのだ。そこで、疑問が浮かぶ。このTASHスコアは、小動物臨床にも応用できるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ニューヨークのアニマルメディカルセンターは、外傷を負った犬をTASHスコアで評価し、その数値と輸血の必要性との関連を調べる研究を行った。なお、同研究におけるTASHスコアは、性別、ヘモグロビン濃度、収縮期血圧、腹水、心拍数、酸塩基平衡、骨盤・大腿骨骨折の有無を基に算出している。すると、①輸血療法を必要とした犬のデータが12件、②必要としなかった犬のデータが12件集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆TASHスコアの小動物臨床への応用◆
・②(5.2±1.1)に比べて①(10.2±2.0)のTASHスコアは有意に高かった
・①と②の間で特に腹水と酸塩基平衡のスコアに有意差があった

 

上記のことから、TASHスコアは外傷を負った犬における輸血療法の必要性を評価する有用なツールになり得ると言える。よって、今後、世界各地の一次診療施設にTASHスコアを普及するべくガイドラインが作成されることを期待している。

本研究では動物外傷トリアージスコア(Animal Trauma Triage Score、ATTS)も評価されており、②(2.0±0.5)に比べて①(5.2±0.78)のスコアが有意に高かったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39569791/


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