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横隔膜ヘルニアを疑われたマルチーズが抱えていた胸腔内腫瘤の正体

投稿者:武井 昭紘

5歳のマルチーズ(不妊メス)が、横隔膜ヘルニアの疑いがあるとして、韓国の建国大学校に付属する動物病院を訪れた。何でも、X線検査にて横隔膜から右側胸部へ伸びるドーム状の腫瘤が確認されたという。横隔膜ヘルニアてあるならば、外科手術が適応されるため、試験開腹が行われた。しかし、事態は意外な方向へと進んだ。

横隔膜にはヘルニア孔が無かった。何の損傷も見当たらなかったのだ。とはいえ、胸腔内には確かに腫瘤があった。その腫瘤は肝葉に見えたという。ここで、試験開腹は終わった。術後、CT検査に進む。腹腔内の肝臓に異常は認められなかった。ただ、肝臓と腫瘤は繋がっていることが判明した。横隔膜を切開し、腫瘤を腹腔内に収める手術が施された。病理組織学的検査にて、腫瘤は空胞変性を生じた肝細胞で構成されていることが確認された。

症例を発表した大学は、本病態を胸腔内の異所性肝と診断した。そして、画像診断で横隔膜ヘルニアが疑われる症例の鑑別リストに異所性肝を追加するべきだと訴える。よって、臨床検査所見が類似する症例に遭遇した場合は、横隔膜ヘルニアか否かを慎重に判断して頂けると有り難い。

X線画像では、横隔膜の輪郭が一部消失していたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39161222/


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