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副腎皮質機能低下症の犬において甲状腺の機能を評価した研究

投稿者:武井 昭紘

何らかの不調(病気)を抱えている犬では甲状腺ホルモンの分泌が低下し、「偽」の甲状腺機能低下症が起きることがある。そのため、どのような不調で当該疾患が発生するのかを把握することが重要なのである。

 

そこで、ヨーロッパの大学らは、副腎皮質機能低下症の犬60匹以上を対象にして、甲状腺の機能を評価する研究を行った。なお、同研究には、副腎皮質機能低下症を①治療する前の症例と②治療中の症例が含まれている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆副腎皮質機能低下症の犬における甲状腺の機能◆
・①が38例、②が28例であった
・①の24例、②の17例が一定期間追跡できた
・追跡期間の中央値は①で3.8年、②で4年であった
・①のうち10匹でTSHが参照値を超えていた(③)
・③の7匹は追跡期間にてTSHが正常化した
・5例が甲状腺機能低下症と診断された(④)
・④のうち4例は副腎皮質機能低下症の治療歴が5.75年(中央値)の時に甲状腺機能低下症と診断された
・④のうち1例は同時に両疾患と診断された
・1例のみで甲状腺に対する自己抗体が検出された
・甲状腺機能低下症を併発することは稀だと考えられる

 

これを受け、大学らは、④では免疫異常とは異なるメカニズムで甲状腺機能低下症が起きたと訴える。また、副腎皮質機能低下症を診断した際のTSHの変動に甲状腺機能低下症を発現するヒントがあるのではないかと述べる。よって、今後、副腎皮質機能低下症の犬に発生する甲状腺機能低下症について更に研究が進み、内分泌疾患の発症メカニズムが深く理解されることを期待している。

④の年齢は中央値で11歳(7〜15歳)でした。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39531378/


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