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肥大型心筋症の猫の代謝機能を解析した研究

投稿者:武井 昭紘

心臓はミトコンドリアが豊富な臓器である。その心臓の機能が障害されると、一体どうなるであろうか。心臓を動かすエネルギーが多く必要になって、酸素消費量が増加するだろうか。また、過剰な酸素が酸化ストレスを増大させるだろうか。健康な心臓と異なる変化が起きているとするならば、それは診断、治療、経過モニタリング、予後判定に利用できるかも知れない。

 

冒頭のような背景の中、欧米の大学およびピュリナ社らは80匹以上の猫を対象にして、彼らの血液をメタボローム解析(代謝機能に纏わる解析)にかける研究を行った。なお、同研究に参加した猫は①臨床上健康な個体23匹、②肥大型心筋症の個体60匹で構成されており、②は③ACVIMステージB1の個体31匹、④B2の個体12匹、⑤C(心不全または動脈血栓症)の個体17匹の3つのグループに分けられている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆肥大型心筋症の猫の代謝機能◆
・全体で1200種類以上の代謝産物が検出された
・その中で167種類の濃度がグループ間で異なっていた
・167種類の大半は脂質に属していた
・①に比べて②では遊離脂肪酸、3-ヒドロキシ脂肪酸、アシルカルニチン、クレアチンリン酸、およびコハク酸、アコニット酸、α-ケトグルタル酸が増加していた
・反対にニコチンアミドとトリプトファンは低下していた
・①に比べて②の酸化ストレスが高まっていた
・①に比べて②では尿毒症に関連する毒素の一部が増加していた

 

上記のことから、①と②の血液に含まれる代謝産物は異なることが窺える。よって、今後、これらの代謝産物から治療のターゲット、診断マーカー、治療効果判定・予後判定マーカーを特定する研究が進み、猫の肥大型心筋症の新しい管理方法が考案されることを期待している。

研究対象となった猫の大部分は短毛の雑種です。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39499136/


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