眼に違和感があるのか、酷い不快感を訴えた猫がスペインの動物病院を訪れた。診察の結果、右眼の角膜中央部にバンド状の白色病変と広範に及ぶ潰瘍があった。眼科検査にて病変は角膜実質にあるようであった。また、細胞診によって中毒性変化を起こした好中球と少数のマクロファージが存在していることが判明した。角膜の石灰化あるいは角膜分離症が疑われる。果たして、本症例に何が起こったのだろうか。
外科手術にて病変が切除された。病理組織検査で角膜分離症は否定された。反対に石灰化が起きていることが確認された。手術から16ヶ月。視力は良好。角膜は透明性を取り戻した。本症例の病態は角膜の石灰化であった。
しかし、症例を発表したスペインの動物病院およびIDEXX社らは謎が深まったと述べる。症例には「ある経過」が無かったからだ。石灰化のキッカケとなるステロイド剤の投与歴も、角膜に損傷を負った過去も無かったのである。このような例は過去に無いという。今後、謎は解明されるか。角膜が石灰化するメカニズムについて、議論が深まることを期待している。

症例は10ヶ月齢だったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39482110/


