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MRI検査で指摘された犬の構造的な脳の異常と生存期間との関連性

投稿者:武井 昭紘

何らかの病気で脳の構造が崩れて異常を呈すると、生命維持に必要な機能が障害され、致死的な危機に晒されることがある。そこで、疑問が浮かぶ。この「異常」の中でも、取り分け生存期間に影響を与えるものは何であろうか。そして、その影響とはどれ程なのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ケンブリッジ大学は、MRI検査で脳に構造的異常が見付かった犬70匹以上の診療記録を解析する研究を行った。なお、同研究では、脳の横断面における正中線の変位、脳浮腫、大後頭孔からの脳ヘルニア、脳室の拡大の有無がチェックされている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆MRI検査で指摘された犬の構造的な脳の異常と生存期間◆
・52%の症例で正中線が変位をしていた(①)
・48%の症例には変位は認められなかった(②)
・①の生存期間は平均で34.5日(4〜108日)であった
・②の生存期間は平均で241日(133日以上)であった
・原因は何であれ正中線が変位した犬の生存期間は有意に短くなった
・②に比べて①は3.6倍生存期間が短くなりやすかった

 

上記のことから、正中線の変位が予後不良の判定因子になっていることが窺える。よって、今後、この変位を「早期に」修正する治療について研究が進み、その治療の有効性(生存期間を延長する効果)が検証されることを期待している。

正中線が変位した犬の脳内で起きている現象を分析すると、新たな治療法が考案できるかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39388654/


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