血液検査は、注射針を動物の体に刺すという意味で「侵襲的」である。そのため、彼らが感じるストレスを限りなく少なくするために、「非侵襲的な」サンプル採取が探究されている。その代表例が唾液である。針を刺す必要もなく、大人しい動物ならば容易に採取ができる唾液は理想的なのだ。しかし、この要件に当て嵌まるサンプルはもう一つある。それが涙液である。果たして、涙液は血液の代替として有用なのだろうか。
冒頭のような背景の中、オーバーン大学は、過去9ヶ月間(2023年5月~2024年3月)に同大学付属動物病院を訪れた犬を対象にして、彼らの涙液に含まれるBUNとCREを測定し、血液中のものと比較する研究を行った。なお、同研究には、①高窒素血症の犬38匹と②高窒素血症ではない犬40匹(コントロール群)が参加している。すると、血液と涙液に含まれるBUNの測定値は良く一致している一方で、CREの一致性は乏しく、涙液の中にはCREの検出ができないサンプルが存在していることが判明したという。
上記のことから、涙液はBUNの測定に利用できるが、CREの測定には利用できないことが分かる。よって、今後、他の生化学検査項目についても検証され、涙液の利用価値が決まることを期待している。また、涙液からCREを検出する方法、涙液中のCREから血液のCREを推定する補正式についても議論され、非侵襲的な生化学検査が確立されることを願っている。

血液は3mL、涙液は20μL採取されたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39059431/


