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免疫グロブリンの静脈輸液を受けたITPの犬の短期的な予後を推測するマーカー

投稿者:武井 昭紘

犬の免疫介在性血小板減少症の治療では、ヒト用として流通している免疫グロブリン(静脈注射)が使用される場合がある。しかし、同薬剤は高額で経済的に余裕が無いオーナーには選択しづらいものであり、且つ、使用したからといって全ての症例が助かると保証されているものでもないのが現状である。つまり、同薬剤を続ける価値があるのか無いのかを、言い換えれば症例の予後が良好なのか不良なのかを推測することが求められているのである。

 

冒頭のような背景の中、イタリアの大学および動物病院らは、免疫介在性血小板減少症(immune-mediated thrombocytopenia、ITP)と診断された犬27匹を対象にして、免疫グロブリン療法に反応する症例と反応しない症例における相違点を突き止める研究を行った。なお、同研究の対象になった犬には、免疫グロブリン (5%)を6〜12時間かけて静脈内投与(単回)するとともに、メチルプレドニゾロン(2 mg/kg/day IV)を併用している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆免疫グロブリン療法への反応に関連した変化◆
・70%(19匹)の血小板数が大幅に改善した
・その改善は治療開始60±12時間後に見られた(治療に反応)
・治療に反応した症例の「①治療開始24±12 時間後の血清中IgG濃度」は有意に高かった
・同じく治療に反応した症例の「②治療開始24±12 時間後の血清中IgG濃度の増加割合」は有意に高かった
・治療に反応した症例は全て14日目まで生存した
・治療に反応した症例の死亡率は反応しなかった症例よりも有意に低かった

 

上記のことから、①と②の値が大きい症例は治療に反応していると判定できる。よって、今後、これらの指標を基にした予後判定法が確立し、高額なグロブリン療法の是非が効率的、客観的に、そして迅速に判断できるようになることを期待している。

本研究の対象となったITPには一次性と二次性の双方が含まれています。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39037266/


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