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パルボウイルス感染症の犬の重症度・予後と血清中コバラミン濃度の関連性

投稿者:武井 昭紘

低コバラミン血症は、犬の慢性腸疾患の合併症として知られている。一方、話は変わるが、犬のパルボウイルス感染症では消化器症状を呈することがある。そこで、疑問が浮かぶ。同感染症に伴う消化器症状と血清中コバラミン濃度との間には何らかの関連性はあるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、オーストリアの大学および動物病院らは、①臨床上健康犬と②パルボウイルス感染症と診断された犬を対象にして、彼らの血清コバラミン濃度(serum cobalamin concentration、CBL)と血清メチルマロン濃度(serum methylmalonic acid concentration、MMA)を測定する研究を行った。なお、MMAはコバラミンが不足すると上昇する性質を有している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆パルボウイルス感染症の犬の重症度・予後とCBL◆
・低コバラミン血症の有病率は①に比べて②で有意に高かった
・低コバラミン血症は感染症の重症度と有意に関連していた
・感染症によって死亡した症例のCBLは生存症例よりも低かった
・コバラミンの投与(非経口)はCBLおよびMMAの改善に寄与しなかった

 

上記のことから、低コバラミン血症はパルボウイルス感染症の犬の重症度と予後を左右していることが窺える。よって、今後、「効果的に」コバラミンの血清中濃度を上昇させる治療法を考案する研究が進み、同感染症の生存率が向上する未来が訪れることを期待している。

①②はそれぞれ30例で構成されていたとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1426664/full


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