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加熱殺菌されたプロバイオティクスをウサギに給与した時の効果を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

プロバイオティクスは腸内細菌叢を整え、免疫力のアップなど様々な有益を齎すことが知られている。そこで、疑問が浮かぶ。プロバイオティクスには2つのタイプがある。生きた細菌を用いるものと、熱処理を加え殺菌したものだ。無論、前者は体に良さそうだとイメージができる。では、後者はどうだろうか。何らかの良い効果を発揮してくれるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、中国の河北農業大学は、離乳したウサギに熱処理を加えたLactobacillus acidophilus(LA)を食餌と一緒に与える研究を行った。なお、同研究では、ウサギ200匹を5つのグループに分け、それぞれに異なる量のLA(0、200、400、600、800mg/kg)を給与している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ウサギに給与した熱処理LAの効果◆
・600と800のグループで繊維とタンパク質の消化率が有意に上がった
・同じく両群でトリプシンとフィブリナーゼの活性が有意に亢進した
・800のグループで血液と回腸における抗酸化力が有意に上がった
・600と800のグループで血液中のTNF-α濃度が有意に低下した
・同じく両群でIgAとIgMのレベルが有意に上がった
・800のグループで腸粘膜における分泌型IgAのレベルが有意に上がった
・800のグループで盲腸内のPhascolarctobacteriumおよびAlistipesの量が相対的に上がった
PhascolarctobacteriumAlistipesはIgA、IgM、抗酸化力と正の相関関係にあった
・またTNF-αと負の相関関係にあった

 

上記のことから、熱処理で死滅したLAは、ウサギの消化効率、免疫力、抗酸化力を上げ、盲腸の細菌叢にプラスの影響を与えることが窺える。よって、今後、犬猫でも同様の研究が計画され、プロバイオティクスに適した菌、そして、その用量・用法が明らかになり、世界で標準化されることを期待している。

本研究では、600と800のグループにおけるフィード対ゲイン比 (F/G) が有意に減少していることも分かっております。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2024.1361908/full


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