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会陰部に腫れを呈したオスのジャーマン・シェパードの1例

投稿者:武井 昭紘

会陰部に膨らみがあること、そして3日間に渡って排尿障害があることを主訴にして、11歳のジャーマン・シェパードがドイツの動物病院を訪れた。性別はオス。症状から察するに、会陰ヘルニアが疑われるような状況であった。しかし、「そう」ではなかった。果たして、彼の身に何が起きたのだろうか。

血液検査には、これといって異常が認められなかった。一方、超音波検査では会陰部に腫瘤が確認された。また、尿道造影では、骨盤の尾側に位置する尿道に重度の狭窄があった。腫瘤の正体を突き止めるべく、FNAが行われた。脂肪肉腫と思しき細胞がそこにはあった。尿路の変更と腫瘤の切除のため、外科手術が適応された。病理組織学検査にて、摘出した腫瘤が完全に切除されていることが確認され、FNAの結果を裏付けるように腫瘤の正体は脂肪肉腫だと判明した。手術から6ヶ月。経過は良好で、再発はしていないという。

症例を発表したドイツの大学および動物病院らは、本病態は稀だと述べる。しかし、臨床症状と身体検査所見から会陰ヘルニアと誤診するリスクはあると言える。よって、類似した症例ひ遭遇した際はヘルニアと決めつけず、腫瘍の可能性も検討して頂けると有り難い。

脂肪肉腫は高分化型だとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38521902/


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