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難治性てんかんを抱える犬の血液中に含まれるアミロイドβの濃度を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ある研究によると、犬の認知機能と「てんかん」は関連しており、「てんかん」を抱える犬には記憶障害が起きるという。また、彼らの神経組織には変性とアミロイドβ(amyloid-β、Aβ) の蓄積が生じると言われているのだ。つまり、当然で片付けてしまうこともできる一方で大変に重要なことだが、「てんかん」の犬の体内では健康な犬と違う変化が起きていると考えられるのである。

 

冒頭のような背景の中、タイのマヒドン大学は、タンパク質、特にAβ42に着目して、①健康な犬と②難治性てんかんの犬の血液サンプルを解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆難治性てんかんを抱える犬の血液のタンパク質解析◆
・①(5.9 pg/mL)に比べて②(99 pg/mL)で血漿中Aβ42濃度が有意に高かった
・155種類のタンパク質が検出された
・②では40種類のタンパク質に変化があった
・神経疾患に関連すると思われるタンパク質10種類が②でダウンレギュレーションしていた
・同様に12種類がアップレギュレーションしていた
・急性期タンパク質であるハプトグロビン、α2-マクログロブリンはとりわけ両群で差が大きかった
・補体因子H Complement factor Hとセルロプラスミンは②でのみ検出された
・細胞プロセスと細胞骨格の組織化に関与するゲルソリンは①でのみ検出された

 

上記のことから、②の血液では炎症に関わるタンパク質が増え又は出現し、細胞の分子機構に関わるタンパク質が失われていることが窺える。よって、今後、これらの変化の臨床的意義について研究が進み、犬の難治性てんかんの新しい治療法の開発、および、薬物療法を実施する前に難治性と診断する手法が確立することを期待している。

「てんかん」発症前と発症後の血液サンプルが比較できると、別の見解が得られるかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1258244/full


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