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犬の中耳炎とCRPの関連性を明らかにしようとした研究

投稿者:武井 昭紘

外耳炎から発展することのある中耳炎は、身体検査でその存在を確定させることは難しく、CTや MRIといった大掛かりな検査で除外または確定することが通例となっている。一方、話は変わるが、犬が抱えているかも知れない炎症を察知する検査として、C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)の測定法が確立されている。つまり、中耳炎の診断や重症度判定にCRPが利用できると考えることができるのだ。

 

冒頭のような背景の中、フランスの動物病院らは、一般家庭で飼育されている犬24匹を対象にして、中耳炎とCRPの関連性を明らかにする研究を行った。なお、同研究では、犬を①臨床上健康なグループ、②外耳炎(慢性または再発性)グループ、③中耳炎グループ耳の3つに分けるべく全例でCRPが測定されており、耳に炎症があると疑われる症例には頭部CT検査と中耳炎の評価(4段階評価)も実施している。すると、以下に示す事項が判明したという。

◆犬の中耳炎とCRPの関連性◆
・①ではCRPの上昇はみられなかった
・②では20%の症例にCRPの上昇がみられた
・③では23%の症例にCRPの上昇がみられた
・中耳炎の重症度が高いほどCRPはより上昇した
・CRPのみで中耳炎の有無を判断することは難しかった

 

上記のことから、CRPは中耳炎の確定診断には利用できないが、重症度判定には利用できる可能性があると言える。よって、今後、CRPを組み込んだ犬の中耳炎の診断アルゴリズムが開発され、高額となりやすいCT・MRI検査前の診療(暫定的な診断の行程)が効率化されることを期待している。

②に5例、③に13例が属していたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38379189/


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