何らかの理由で血漿中のアルブミン濃度が低下した、いわゆる低アルブミン血症の症例には、その不足を補うように輸液または輸血療法が適応される。故に、これらの治療法の効果が期待されるものになっているか、つまり、低アルブミン血症が解消され、入院期間や生存率が改善しているかについて検証する必要があるのだ。
冒頭のような背景の中、ドイツのルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンは、入院加療となった低アルブミン血症(2.5g/dL以下)の犬150匹以上を対象にして、アミノ酸輸液の効果を調べる研究を行った。なお、同研究では、母集団を①アミノ酸輸液(3日間以上の治療)を受けたグループと②受けていないグループの2つに分け、両群の診療記録を比較している。また、1~2日のみアミノ酸輸液を受けた犬、輸血療法や外科手術が適応された犬、生後6ヶ月未満の犬は除外されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆低アルブミン血症の犬に対するアミノ酸輸液の効果◆
・アミノ酸輸液の期間は中央値で4日であった(3~11日)
・両群の生存率および副作用の程度に有意差はなかった
・②に比べて①の入院期間は有意に長かった(①は中央値8日、②は6日)
・②に比べて①のアルブミン濃度は有意に低かった
・その差は入院2日目にしてなくなった
上記のことから、アミノ酸輸液で犬の低アルブミン血症は解消されることが窺える。しかし一方で、①②の転帰に影響を与えないことも分かる(オーナーの視点からすれば医療費が嵩むだけに見えるかも知れない)。よって、今後、低アルブミン血症症例の生存率や入院期間を改善するファクターを突き詰める研究が進み、当該疾患に対する治療法の見直しがなされることに期待している。

アミノ酸製剤としてドイツ製のAminoplasmal® 10%が採用されております。
参考ページ:
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1198534/full


