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タンパク喪失性腸症の犬が抱える再発リスクに関与するファクターを調べた研究

投稿者:武井 昭紘

炎症性の消化器疾患の一つ、タンパク喪失性腸症(inflammatory protein-losing enteropathy、iPLE)は、治療によって寛解を望める病気てあるが、そうであっても症状が再発をするリスクが完全には消えない性質を持っていることが知られている。そのため、当該疾患の経過をより良好にするべく、この再発の発生率を算出し、且つ、再発に関与するファクターの特定し、対処方法を考案することが重要とされているのだ。

 

冒頭のような背景の中、イギリスの王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、過去10年間において病理組織検査に基づいてiPLEと診断された犬75例の診療記録を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ iPLEの犬が抱える再発リスクに関与するファクター ◆
・症例の31%(①)が寛解し2年間再発しなかった
・症例の25%(②)が寛解し2年以内に再発した
・症例の44%は寛解しなかった
・寛解しなかった症例は病理検査から19日(3〜114日)で死亡した
・①に比べて②では食餌指導を遵守する可能性が有意に低かった

 

上記のことから、一定の割合で寛解した症例がそのまま再発せず、あるいは、再発することが窺える。そして、その再発に食餌管理の不徹底が関与していると言える。よって、今後、iPLEが再発しない食餌療法、中でも「長期的に続けやすい」食餌療法について議論され、罹患犬の経過・予後が劇的に改善されることに期待している。

診療記録は2010年3月から2020年3月までのものです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36207819/


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