リンパ腫は様々なタイプのリンパ球を由来として様々な場所に発生し、その場所に応じた症状と治療の難易度が変動する腫瘍性疾患である。そのため、これらのタイプや発生場所を体系化して、それぞれに対する治療法を検討することが重要だとされているのだ。
冒頭のような背景の中、イタリアのペルージャ大学は、猫の神経系に発生したリンパ腫の局在と病理解剖学的パターンを解析する研究を行った。すると、24件の症例データが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆猫の神経系に発生するリンパ腫の局在と病理解剖学的パターン◆
・22件が原発性であった
・発症年齢は平均で8歳であった
・B細胞性の発症年齢は平均で6.4歳、T細胞性の発症年齢は平均で11.1歳であった
・10件が脊髄に、8件が脳に、4件が末梢神経に、1件が脳と脊髄に、1件が脳と視神経にリンパ腫を抱えていた
・11件が髄外、6件が髄内、2件が髄膜、4件が神経組織、1件が髄膜と神経組織にリンパ腫を抱えていた
・髄内のうち2件は血管向性であった
・神経組織に発生するリンパ腫は視交叉との関係性が深かった
・12件がB細胞、6件がT細胞、2件が両細胞の性質を持ち、2件がB細胞にもT細胞にも分類されなかった
・視交叉とB細胞性、髄膜とT細胞性の関係性が深かった
・CD44の発現が悪性度の高さを示唆していた
上記のことから、猫の神経系に発生するリンパ腫は、発症年齢、発生場所、病理解剖学的パターン、免疫組織学的パターンによって一定の特徴があると言える。よって、今後、これらの特徴と予後・転帰、または、治療反応性との関連が追究され、当該疾患の診療レベルが向上することに期待している。

1件を除く全てのリンパ腫がCD56陰性であったとのことです。
参考ページ:
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2022.959466/full


