様々な疾患によって1分1秒を争う救急外来の現場では時に、犬や猫の体重を正確に測定できないケースが生じる。そのため、体重を「推定して」治療を進める必要性に迫られるのだ。しかし、推定はあくまでも推定。果たして、どこまでの正確な体重に近いを弾き出せているのか。推定の体重と正確な体重の差を知ることが重要だと考えられる。
冒頭のような背景の中、ペンシルバニア大学は、過去2年間に救急外来を訪れた犬猫120匹以上を対象にして、①獣医師、②動物看護師、③獣医学部生が推定した彼らの体重を診療記録のデータとともに解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆救急外来を訪れた犬猫の診療記録と推定体重の関連性◆
・体重が重い犬の推定体重は過小評価されていた(①~③いずれも)
・症例のBCSが増加するほどに推定体重は過小評価されていた(①②は猫の体重を③は犬の体重を過小評価)
・「犬の被毛が長いこと」は推定体重の精度を有意に変動させた
・推定体重と実際の体重の差が10%以内に収まる確率は犬で32%、猫で20%であった
上記のことから、推定体重が実際の体重を当てる可能性が低く、体重、BCS、被毛の長さに影響を受けることが窺える。よって、今後、これらの要因を加味した推定体重を補正する計算式が考案され、救急外来の診療業務が効率化されることに期待している。

症例の内訳は犬が101匹、猫が28匹だったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36563068/


