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スポットタイプのフルララネル製剤が奏効した猫のニキビダニ症例

投稿者:武井 昭紘

糖尿病を患い、FIVに感染した7歳のオス猫が鼻と耳に皮膚トラブルを発症したとして、ギリシャのテッサロニキ大学付属動物病院を訪れた。鼻に紅斑と痂疲を伴った脱毛が認められ、外耳炎(両耳)を起こしていた。また、外部寄生虫検査では、Demodex catiが検出された。

適応された薬剤は、中型の猫用にリリースされているブラベクト(フルララネルを250mg含有)。スポット製剤が罹患猫に塗布された。すると、4週後に外耳炎(Demodex cati陰性)が解消し、鼻の皮膚病変(Demodex catiの死骸が1匹)も著しく改善した。6週目では、鼻の脱毛が軽度に残るものの、Demodex catiは検出されなかった。そして、8週後。皮膚トラブルは解決した。

最初のブラベクト塗布から12週後、2回目の塗布が実施された。その後の6ヶ月にて、再発は起きていないという。同大学は、鼻に限局した皮膚病変と外耳炎を呈したニキビダニ症をで治療したとして、本症例を世界初だと述べる。果たして、ニキビダニ症を抱える猫全般にブラベクトが有効なのか。今後、大規模な臨床研究が計画され、ブラベクトのニキビダニ症(猫)に対する効果が立証されることを期待している。

本症例の皮膚の状態につきましては、リンク先の文献をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35111330/


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