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Dirofilaria immitisを検出する抗原検査の偽陰性に対する改善策を考えた研究

投稿者:武井 昭紘

6.0~38.7%。これは、ミクロフィラリア陽性の犬のフィラリア抗原検査が陰性になる確率である。一般的に、抗原検査は感度が高いとされているが、相当な確率で偽陰性を生み出すリスクを抱えていることが窺える。そして、その原因は、Dirofilaria immitisの抗原と宿主の抗体によって形成された免疫複合体が検査の妨げになっていると言われているのだ。つまり、この複合体を破壊すれば、偽陰性の問題が解消できるという仮説が立てられるのである。

そこで、オクラホマ州立大学は、160匹以上の犬から採取した血液を、ミクロフィラリア検査(ノット法)およびゾエティス社の抗原検査にてチェックする研究を行った。なお、同研究では、複合体を破壊する方法として熱処理(104℃、10分)が採用されており、その処理の前後で実施された検査結果が比較されている。すると、処理前の検査では、ミクロフィラリア検査のみ陽性が6例、抗原検査のみ陽性が14例、両検査とも陽性が1例であったのに対し、処理後の検査では、ミクロフィラリア検査のみ陽性の6例が全て、抗原検査陽性に転じることが確認されたという。

上記のことから、熱処理によって抗原検査における偽陰性が陽性になることが分かる。よって、今後、熱処理に要する時間の短縮、あるいは、熱処理に替わる複合体の破壊方法が考案され、忙しい予防時期でも利用しやすい「偽陰性解消法」が確立されることに期待している。

他の研究では、熱処理前に抗原検査陰性であったサンプルの5.2~53.3%が、熱処理後に陽性に転じることが判明しております。

 

参考ページ:

https://parasitesandvectors.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13071-018-2736-5


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