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犬の尿路疾患に使用される抗生剤について調べた北米の研究

投稿者:武井 昭紘

改めて言うまでもないが、小動物臨床では、犬の尿路感染症に対して抗生剤が使用されている。しかし一方で、人医療と同様に、耐性菌の出現が問題にもなっているのだ。つまり、その出現を抑えるために、各国・各地域における抗生剤の使用状況を調べ、課題点を洗い出すことは重要だと言えるのである。

 

冒頭のような背景の中、北米の大学らは、尿路疾患(①散発性膀胱炎、②再発性膀胱炎、③腎盂腎炎)に罹患した犬7300匹以上の治療歴をデータ化する研究を行った。なお、症例の割合は①が約90%、②が約6%、③が約4%となっており、以下に示す事項が明らかになったという。

◆北米における犬の尿路疾患に対する抗生剤の使用状況◆
・①②③全てで最も使用されている抗生剤はアモキシシリン・クラブラン酸であった
・いずれの疾患でもアモキシシリン・クラブラン酸と別の抗生剤の併用が見受けられた
・その併用されている抗生剤はニューキノロン系が多い
・2016~2017年(中央値14日)に比べて2018年では投与期間(中央値10日)が短縮している

 

上記の結果を受け、大学らは、投与期間の短縮と推奨されている抗生剤の使用に一定の評価を示した。果たして、ヨーロッパやアジア(日本を含む)では、どのような使用状況となっているだろうか。特に投与期間の変遷は、耐性菌の出現にも深く関与するため気になる点である。よって、今後、投与期間を明らかにする研究が世界各地で計画されるとともに、その期間が短くなる、あるいは、長くなってしまうファクターを特定する研究も進むことを期待している。

投与期間は最長で77日にも及んでいるケースがあったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34397135/


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