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ステージ1~2の腎不全を抱える猫に適したタンパク質およびリンの制限レベルを考えた研究

投稿者:武井 昭紘

慢性腎臓病(chronic kidney disease、CKD)を抱える猫に適応する主な治療の一例として、タンパク質とリンを制限した食餌療法が挙げられる。しかし、どの程度の制限が適切なのかについては議論の余地が残されているの現状だ。果たして、限界まで制限することが理想なのか、それとも「ほどほど」が良いのか。それを明らかにすることは、猫の泌尿器診療のレベルを向上するキカッケになるものと思われる。

 

冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)およびウォルサム研究所らは、IRISの分類でステージ1~2のCKDと診断された猫19匹(研究室で飼育する個体群)を対象にして、タンパク質とリンを制限した食餌療法が彼らに齎す影響について解析する研究を行った。なお、同研究では、両成分を①「強く」制限した食餌と②中程度に制限した食餌の2種類を用いて、始めに罹患猫へ①を18ヶ月間与え、ついで②を22ヶ月間与える形式が採用されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆タンパク質とリンを制限した食餌療法がCKDの猫に及ぼす影響◆
・①を与えてから6ヶ月後にCREは基準値範囲内に減少する
・一方で17ヶ月後にはCa、FGF23の上昇を認めた
・②を与えてから22か月後にCRE、Ca、Pは基準値範囲内に収まった
・加えてFGF23は有意に減少した

 

上記のことから、②は各腎不全マーカーの変動を抑える効果を有していることが窺える。
よって、今後、実際の臨床現場にて①を与えられた猫と②を与えられた猫の生存期間を比較する研究が計画され、②の有用性が検証されることに期待している。

①および②に含まれるタンパク質とリンの量につきましては、リンク先をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34545958/


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