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猫の糖尿病の管理を簡素化させる超長時間型インスリンを用いた臨床試験

投稿者:武井 昭紘

1日1~2回のインスリン注射によってオーナーのQOLが低下すること、糖尿病と診断された愛犬の安楽死を決断するオーナーがいることなどが契機となってか、アメリカでは「超」長時間作用型のインスリン製剤の開発に注目が集まっている。つまり、例えば週1回など投与間隔を広げた皮下注射で効果を充分に発揮するインスリンの普及が切望されているのだ。

そのような背景の中、アメリカの獣医科大学らは、生体内で起きるタンパク質分解の働きから逃れるべく、猫免疫グロブリンのFc領域と一体化したインスリン(①AKS-267c)の有用性を検証する研究を行った。なお、同研究では、②インスリングラルギンを1日2回投与されている糖尿病の猫5匹に②の代わりに①(週1回、7週間)を適応する形式で進められており、①を適応する前と①を7週間投与した後のタイミングにおける彼らの臨床症状、体重、フルクトサミン濃度、間質液中グルコース濃度(interstitial glucose concentrations、IG)が比較されている。すると、何れも項目にも有意な変動は認められず、且つ、有害事象も報告されなかったとのことである。

上記のことから、週1回の投与で済む①は、猫の糖尿病の管理に利用できることが窺える。よって、今後、①の有用性を大規模な臨床試験で評価する研究が進められ、当該疾患の治療法に革新が齎されることを期待している。

超長時間型インスリンが世界的に普及すれば、
インスリンの皮下注射は週1回の通院で済ませ
られるよう(つまり、オーナーが皮下注射しな
くても良い状況に)になるかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34190365/


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