猫が発症するブドウ膜炎の原因(外傷を除く)は、特発性、感染、腫瘍、ブドウ膜炎以外の眼疾患などが挙げられる。そのため、これらの原因の発生頻度を把握し、鑑別診断に活かすことが重要だと言える。つまり、猫のブドウ膜炎に関する疫学を明らかにしてアップデートすることが大切なのだ。
そこで、イギリスの大学および動物病院らは、ブドウ膜炎を疑う臨床症状を呈した猫90匹以上を対象にして、当該疾患の疫学を解明する研究を行った。なお、同研究では、身体検査、眼科検査、血液検査(CBC、生化学)、感染症検査(2種類以上)が実施された猫の診療データが集積されている。すると、以下に示す事項が判明したという。
◆猫のブドウ膜炎(外傷を除く)に関する疫学◆
・約66%の症例がオスであった
・最も一般的な原因は特発性(約46%)であった
・次いで①猫伝染性腹膜炎(FIP)、②リンパ腫が並んだ
・①と②のグループを構成する主体は純血種であった
・年齢層はFIPのグループで最も若く(中央値1.4歳)、腫瘍のグループで最も高齢(中央値12.8歳)となった
・特発性の約56%、感染性の約48%で片側性にブドウ膜炎が発生した
上記のことから、猫のブドウ膜炎の原因は特発性が多いことが窺える。よって、今後、特発性(原因不明)のブドウ膜炎を抱える猫を感染症学的、遺伝学的、あるいは手術歴・病歴などの観点から解析する研究が計画され、当該疾患の原因が細分化されていくことを期待している。そして、特発性ブドウ膜炎に対する新しい治療法が確立することを願っている。

FIPは約16%、リンパ腫は約11%の症例に認められました
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34037308/


