去勢・不妊手術に臨んだ犬猫の術後管理でオーナーや獣医師が気になる事の一つ、彼らの「食欲」が低下した時、皆様は何を想いどのような対処をするだろうか。食欲を刺激する特別に美味しいフードを用意するだろうか。食欲増進剤などの薬剤の使用を検討するだろうか。あるいは、術式や麻酔を見直す行動を起こすだろうか—–。
そのような背景の中、ギリシャの獣医科大学は、麻酔薬であるプロポフォールに注目したようである。具体的には、卵巣子宮全摘出術を受けたメス犬のうち、術後6時間の時点で与えられたフードを食べなかった個体50匹以上を対象にして、プロポフォール(2mg/kg)の静脈内投与による食欲の刺激を試みたという。すると、生理食塩水を投与されたグループ(5%の個体がフードを食べた)に比べて、プロポフォールを投与されたグループ(87%)において食欲が回復する個体が多いことが判明したとのことである。
上記のことから、プロポフォールには、低下した食欲を回復させる「何らかの」効果があるものと推察される。よって、今後、この何らかの効果について解析する研究が進み、その効果を発揮する術後管理法(同じ効果さえ得られればプロポフォールの静脈内投与以外の方法でも良いと思われる)が考案されることに期待している。

両グループ(プロポフォールまたは生理食塩水を投与された2つのグループ)における痛み、鎮静、ストレスレベルのスコアには相違点は認められなかったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34125612/


