2020年12月、埼玉県川口市の河川敷で70代の男性が小型パピオン(12才メス)を散歩させていると、ランニング中の40代男性が、犬が近づいた事を理由にパピオンを足で蹴り上げ、パピオンは首の骨折と出血状態で即死する事件がありました。2020年6月に「動物愛護法違反」の罰則が強化されたこともあり(5年以下の懲役か500万以下の罰金)、埼玉県警はこの男性を動物愛護法違反の疑いで逮捕しました。
動物愛護法は動物の愛護や虐待等の防止について定めた法律です。「愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者」「みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者」「愛護動物を遺棄した者」などに対し、懲役や罰則が科せられます。飼育主やペット業者の責任と義務が明記され、幾度かの改正を経て大幅な罰則強化が行われています。
2012年には殺処分に関しても動物愛護法が改正されました。ブリーダーやペットショップなどで売れ残った動物は自治体が引き取るケースがありましたが、世論の高まりとともに各自治体での引き取りが難しくなりました。
その結果、売れ残ったペットを有料で引き取り、劣悪な環境で飼育する「引取り屋」というビジネスが活発化し社会問題となりました。動物愛護法が施行されても、ペット業界のビジネスモデルが今まで通り存続していると、一部の悪徳業者に販売され、闇に消えていくペットが後を絶たないのです。
2017年から動物愛護団体とペット業界の団体の間では、人と動物が共生する社会に向けて議論が行われてきました。獣医師会もペット社会の実現に向けて問題定義や検討会などで参画しており、様々なヒアリングを経て、今回の動物愛護法の改正に至った背景があります。
今後も動物愛護法は細かな改正が行われていくと考えられます。ペットに関わる全ての人がペットや動物の在り方について考え、声を上げていく事が大切になります。
<コラム>ペットを「物」ではなく「命」を守り育てるために



