皮膚や皮下組織などに発生する犬の軟部組織肉腫(soft tissue sarcomas、STS)は、多様な病理組織学的なグレードを伴って、転移や再発を起こす腫瘍性疾患である。そのため、腫瘍細胞が転移しやすい臓器、例えば肺の画像診断は重要なのだ。
そこで、イギリスのサリー大学は、STSに罹患した犬140匹以上を対象に、彼らの診療記録を解析して、初診時(画像診断が実施された最初の日)において肺に転移を疑う結節性病変が認められる確率を算出する研究を行った。すると、母集団全体の約12%から病変が検出されることが明らかになったという。そして、その割合は、グレートが低い症例と比べて、グレートが高い(あるいは経過が3ヶ月以上の)症例で6倍を超えて高くなることが判明したという。
上記のことから、グレートが高い(経過が長い)症例を診察する際は、肺の画像診断を必ず検討するべきだと言える。また、グレートが低い症例でも転移の可能性がある旨を頭の片隅に置いて忘れないことが望ましいと思われる。

本研究では、肺に結節性病変が認められる割合が低いグレートを1および2(それぞれ6%)、高いグレートを3(38%)としております。
参考ページ:
https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.258.2.179


