子宮に感染や炎症が起きて内腔に膿が貯まる蓄膿症は、子宮を摘出する外科手術にて治療されることが一般的である。そして、その治療によって、多くの症例が回復の兆しをみせるのだ。果たして、この時、生体内では何が起きているのだろうか。それを明らかにすることは、術前の重症度判定や術後の予後判定を正確なものとする確固たる指標を作り出すキッカケになると思われる。
そのような背景の中、ヨーロッパの大学らは、①健康な犬と②子宮蓄膿症の犬を対象にして、卵巣子宮摘出術の前後におけるインターフェロン-ガンマ(INF-γ)とネオプテリン(neopterin、Np)の血清中濃度を測定する研究を行った。すると、以下に示す事項が判明したとのことである。
◆ 卵巣子宮摘出術の前後におけるサイトカインの変動◆
・術前では、両項目とも①に比べて②で有意に高い
・術後3日目では、②のNpが有意に低下する
・その値は、①の術前のものよりも低くなった
・INF-γは術前後で変化はしなかった
上記のことから、子宮蓄膿症を発症した犬(外科術後を受けた犬を含む)では、血清中のINF-γとNp濃度が変動していることが窺える。よって、今後、INF-γは重症度判定に利用できるか、Npは治療効果または予後判定に利用できるかについて検証されていくことに期待したい。

腹膜炎や多臓器不全を併発した症例と併発していない症例に分けて同様の研究を行うと、新たな見解が得られるかも知れません。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32801459/


