拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy、DCM)は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ4(Pyruvate Dehydrogenase Kinase 4、PDK4)やチチン(titin、TTN)をコードする塩基配列に変異を伴って、遺伝性・家族性に大型犬や超大型犬が発症する循環器疾患である。そのため、当該疾患に罹患する犬種を遺伝子学的に解析することは、大変に重要だとされている。つまり、両遺伝子の変異とDCMの発症との関連性を明らかにする、あるいは、未知の遺伝子変異の存在を証明することが、彼らのDCMを深く理解するキッカケになるのだ。
そこで、アメリカの獣医科大学らは、DCMのドーベルマン・ピンシャー48匹を対象にして、①PDK4および②TTN遺伝子の変異の有無を調べる研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことである。
◆ドーベルマン・ピンシャーのDCMと遺伝子変異◆
・約58%の症例で①に変異があった
・約8%で②に変異があった
・約21%で①と②に変異があった
・約13%では①と②どちらにも変異がなかった
上記のことから、2つの遺伝子の変異では説明ができない症例が存在していることが窺える。果たして、彼らが抱えている発症メカニズムとは。未知の遺伝子変異が何処かに潜んでいるのだろうか。今後、更なる研究が進み、その謎が解明されていくことに期待している。

①のみに変異があるグループは、他のグループに比べて、若い年齢の個体で構成されていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33135971/


