新型コロナウイルスが世界的に流行し、思うことがある。街中を歩いていると、ちらほらとマスクが落ちているのだ。あれを落としたヒトは、その後どうしたのだろう。今や必需品と言って過言ではないマスクを失った時の心境とは—–。と同時に実感する。マスクが、ヒトにとって「日常」になったことを。そして、それは犬にとって、手や口が届く範囲にマスクが近付いてきたということなのだと。
そのような背景の中、実際に口が届いてしまった症例が報告された。なお、報告を上げたPDSA(People’s Dispensary for Sick Animals、動物病院にも関わるチャリティ団体)によると、1歳のコッカー・スパニエルが食欲を失い、水も吐くということで診察したところ、X線検査で消化管内異物による閉塞が疑われたという。そして、緊急手術の結果、腸からフェイスマスクが摘出され、本症例は術後2週間で完全に回復したとのことである。
自宅に常備され、日常的に使用するマスク。外出先でも何度となく、すれ違うマスク。犬たちは、至るところで見掛けるようになったマスクの存在を何だと思っているだろうか。嫌でも視界に飛び込んでくるマスクを手や口で確かめてみたいという衝動にかられているだろうか。犬を飼育している世帯では、コロナ禍が終息するまで、フェイスマスクの管理を徹底し、散歩中の愛犬の行動を注意深く観察する必要があるかも知れない。

今回紹介した症例は、前日の夜に嘔吐していたとのことです。
参考ページ:
https://mrcvs.co.uk/en/news/19875/Vets-save-cocker-spaniel-after-it-eats-a-face-mask


