免疫機能を有する生体に発生する悪性腫瘍は、様々なサイトカインによって組織の増殖を助けられ、逆に抑制される特徴を持っている。つまり、この各種サイトカインの変動を具に理解することは、新しい診断法や治療法を開発する上で、大変に重要なことなのだ。しかし、小動物臨床における「その変動」は、未だ解明されていないことが多いのが現状である。
そこで、オレゴン州立大学は、①臨床上健康な犬と②骨肉腫の犬から採取した血清サンプルに含まれる成分を解析する研究を行った。すると、①に比べて②では、インターロイキン-8(IL-8)およびインターロイキン-12p40(IL-12p40)の濃度が有意に増加していることが判明したという。
『これは、ヒトの骨肉腫にも見られる現象である。』
同大学は、こう述べる。
よって、今後、両サイトカインの濃度測定を用いた診断法や、これらをターゲットにした治療法を考案する研究が進められることに期待している。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32559421/