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重度のアナフィラキシーを起こした犬の死亡に関わるリスクファクターに関する研究

投稿者:武井 昭紘

アナフィラキシーとは、生物毒(ヘビ毒など)、薬剤、食物に対して生体が過剰なアレルギー反応を起して、嘔吐や下痢、低血圧、呼吸困難などを呈する現象のことで、最悪の場合、罹患個体はショック状態に陥り、致死的経過を辿ってしまう病気である。故に、どのような条件を満たした症例の予後が不良となるかについて解明することは、当該疾患の治療法を見直し、改定するために非常に重要で、これからの獣医学の発展に寄与する大きなカギとなると思われる。

 

そのような背景の中、ルイジアナ州立大学は、重度のアナフィラキシーが疑われる60匹以上の犬を対象にして、彼らの予後を左右するファクターを突き止める研究を行った。すると、以下の事項が明らかになったとのことである。

◆アナフィラキシーを起こした犬の予後を不良にするファクター◆
・低体温を示す
・入院加療から6時間以内に低血糖に陥る
・血清リン濃度が12.0mmol/L(約36.0mg/dL)以上になる
・プロトロンビン時間(PT)と部分的トロンボプラスチン時間(PTT)が参照値上限から50%以上延長する

 

上記のことから、体温、血糖値、血清リン濃度、血液凝固系をモニタリングすることで、アナフィラキシー症例の予後を判定することできると言えるのではないだろうか。よって、今後、これらの条件(ファクター)に該当する症例の生存率を向上する研究が進み、救われる命が1匹でも多く増えることを願っている。

本研究におけるアナフィラキシーに対する治療は、文献をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.256.10.1137


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