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乳腺腫瘍のサイズと「その」悪性度との関連性について調べた研究

投稿者:武井 昭紘

犬の乳腺腫瘍は、一般の動物病院にて良く遭遇することのある疾患である。そして、その時、乳腺腫瘍の存在を伝えられたオーナーが心配することの一つに、悪性度(良性なのか悪性なのか)が挙げられる。無論、FNAや病理組織検査を実施することが事実を明らかにする近道ではある。しかし、それらの検査の前に(愛犬に痛い思いをさせる前に)、何か判断材料は無いものかと望むのもヒトの心情だと思うのだ。

 

そのような背景の中、ドイツの大学は、乳腺腫瘍の犬600匹以上(腫瘍の数としては1400以上)を対象にして、腫瘍組織のサイズと悪性度に関する研究を行った。なお、本研究に参加した症例群(約75%が純血種)は、診断時の平均年齢が9.7歳で、体重の中央値は20.0kgであったという。そして、以下に示すことが判明したとのことである。

◆乳腺腫瘍のサイズと悪性度との関連性◆
・悪性の乳腺腫瘍(約1.9cm)は、良性のもの(0.9cm)よりも有意に大きい
・腫瘍組織のサイズが増加する程、良性腫瘍が悪性化する確率が高い
・腫瘍組織のサイズは、悪性度と正の相関関係にある
・悪性の乳腺腫瘍のサイズは、1つのみ発生した時よりも、複数個発生した場合に有意に小さくなる

 

上記のことから、mm単位(1cm以内)のサイズ変化が、乳腺腫瘍の悪性度に関与していることが窺える。では果たして、その微細な変化が、どれ程までに症例の転帰を左右するのだろうか。本研究を基に、乳腺腫瘍のサイズと予後についても解析されていくことに期待している。

本研究の症例の80%以上は、不妊手術をしていないとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32945086/


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