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腸炎を罹患した猫から検出されたカリシウイルス

投稿者:武井 昭紘

猫カリシウイルス(feline calicivirus、FCV)は、猫に上部呼吸器疾患を起こす代表的なウイルスで、この病原体に感染した個体は元気消失、発熱、くしゃみ、 鼻汁などを呈することに加えて、舌や口腔に水胞および潰瘍を発症することが知られている。つまり、FCVは、同じく猫に感染するパルボウイルスとは異なり、嘔吐や下痢といった消化器症状との関連は余り延べられることがないという側面を持っているのだ。しかし、この度、その側面を180度引っ繰り返すような報告が上がった。

 

なお、報告を行ったイタリアと中国の大学らによると、RT-PCRによって腸炎を起こした猫の糞便サンプルを精査したところ、約26%の症例からFCVのRNAが検出されたとのことである。また、そのRNA(腸内から分離された株)のシーケンシングでは、呼吸器由来の分離株とは遺伝的に隔たりのある配列が確認されたというのだ。

これを受け、大学らは、腸組織に親和性を獲得したFCVの存在が示唆され、このウイルスが病原性を発揮していると仮説を立てた。

 

果たして、真偽の程は。
世界各地で大規模な症例数を対象に、今回紹介した報告と同様の調査が実施され、「FCVによる腸炎」の実態が明らかにされていくことに期待している。

猫に腸炎を起こすとされたカリシウイルスは、低pH、トリプシンに耐性を有しているとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32359195/


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