動物病院を訪れる犬猫のオーナーを観察していて、思うことがある。彼らは、ある一定の考えを持って、愛犬・愛猫に与えるフードを選定しているようなのだ。つまり、オーナー個々人の中に、ペットフードに対する嗜好性のようなものが存在しているのである。果たして、その嗜好性とは、一体どのようなものか。購入してもらえるフードの開発や獣医師がオーナーに提案する療法食の選定において、それを明らかにすることは大変に重要なことだと言えるのではないだろうか。
そのような背景の中、イタリアのトリノ大学らは、国内のペットショップまたはペット販売イベントに訪れた犬猫のオーナーを対象にして、「嗜好性」を問うアンケートを採る研究を行った。すると、900件以上の回答が得られるとともに、以下に示す事項が判明したとのことである。
◆犬猫を飼育するオーナーのペットフードに対する嗜好性◆
・オーナーは、全体的に天然の成分を含むフードを好む
・65歳以上のオーナーは、製品の価格を最も重視する
・また、フードの外観や、ペットの好き嫌いと便の状態を余り重視しない
・35歳未満のオーナーは、ペットの便の状態、フードのタンパク質含有量を重視し、リサイクル可能なパッケージを好む
・また、フードの外観と匂い、ペットの好き嫌いには気を留めない
・ウェットフードに限定すると、外観、匂い、コストの高さが重視されている
仮に、このアンケートが日本で実施されたら、類似した結果が得られるだろうか。あるいは、イタリアと異なり、ペットの好き嫌いが重視されるだろうか。同様の調査が本国でも計画され、フードの開発の原動力になることは勿論のこと、獣医師がオーナーに提案する療法食の選定にヒントを与えてくれることを願っている。

今回紹介したアンケートでは、約30%のオーナーは有名なペットフードメーカーの商品説明を信頼しており、約25%が購入するフードについて獣医師と相談していることも明らかになっております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32393389/


