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ドッグパークを訪れる犬における寄生虫感染のリスクを調べた研究

投稿者:武井 昭紘

世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大している。
外出や経済活動は制限を受け、思うように行動できない。
自らが、家族が何時感染するか、怯える日々で心が荒んでいく。
こんな状況下で、癒しを与えてくれるのは、愛犬だ。
『そうだ、犬を連れて散歩に出掛けよう!』

もし、仮に、読者の皆様が、このように考えているのならば、気を付けて頂きたい話がある。それは、愛犬と一緒に遊べる公園、ドッグパークのことだ。

 

2020年8月22日。
アメリカ獣医師会のホームページにて、以下に示すオクラホマ州立大学の研究が発表された。

◆ドッグパークに潜む寄生虫◆
・全米288ヶ所のドッグパークを訪れた犬3000匹から糞便サンプルを収集した
・期間は、2020年7~8月の6週間である
・おおよそ5匹に1匹の割合(母集団の21%)でサンプルから寄生虫が検出された
・これは、2009年の調査結果(12%)と比べて、1.75倍に上昇している
・主要な寄生虫は、鉤虫、鞭虫、ジアルジアであった
・ドッグパークの80%以上において、寄生虫に感染した犬に遭遇した
・特にマイアミ周辺で鉤虫に感染した個体の割合が高かった
・一方、ジアルジアは各地で均等に検出された

 

上記のことから、アメリカのドッグパークは、犬が寄生虫に感染する機会を提供する場と化していることが窺える。果たして、日本のドックパークは、どのような状況なのだろうか。アメリカ程のリスクはないのか。それとも、アメリカ以上のリスクを孕んでいるのか。コロナ禍で「おうち時間」が増え、愛犬と一緒に過ごす時間が多くなった今、その実態を改めて調査することが、安定した予防医療の実現にとって必要なことだと思われる。

2017~2018年において犬をドッグパークに連れて行くヒトの割合(37%)は、10年前のそれの約2倍だとの試算も出ています。2020年は、一体、どれくらいの割合なのか、調査されていくことに期待します。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/journals/study-finds-parasites-common-dog-parks


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