Spec fPL。
猫膵特異的リパーゼ検査。
これは、世界的な動物検査会社IDEXXが提供する、猫の膵炎を診断する迅速判定法である。その判定は実に明快で、検査が陽性ならば膵炎と診断し、陰性ならば膵炎を除外するといった感じだ。しかし、この検査の感度、特異度はともに100%ではない。つまり、検査結果をどこまでに信頼して、診断(除外診断を含む)に結びつけるのか。そこに議論の余地が残されていると言えるのである。
そこで、王立獣医科大学は、過去4年間に付属動物病院を訪れた猫270匹以上を対象にして、彼らを以下の4つのグループに分け、Spec fPLを測定する研究を行った。
◆Spec fPLを測定した4つのグループ◆
①Spec fPLを除く臨床検査と臨床兆候で明確に膵炎を判断できる症例
②膵炎を疑う症例
③膵炎の可能性が否定できない症例
④膵炎ではないと思われる症例
すると、④の10%が陽性、①と②の24%が陰性になることが明らかになったとのことである。
上記のことから、臨床検査および臨床兆候と、Spec fPLの結果において、整合性が取れない症例が一定数存在していることが窺える。よって、猫の膵炎を診断する際には、Spec fPLを過信することなく、臨床検査所見や臨床兆候の有無と、Spec fPLの結果を総合的に判断し、治療方針を決定しいくことが望ましいと思われる。

4グループの内訳は、文献をご参照頂けますと幸いです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32452547/


