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12週齢で排尿障害を呈した子猫に起きていた世界初の泌尿器疾患

投稿者:武井 昭紘

排尿障害を呈して、アメリカはミッドウェスタン大学付属動物病院を訪れた猫は、僅か12週齢。生まれてから3ヶ月が経過するかどうかという幼さであった。その診察の結果はと言うと、尿道閉塞と尿膜管開存症を疑う症状を発現していたというのだ。

無論、尿膜管開存症は外科手術で改善を見込める。問題は、非常に若い子猫の尿道を閉塞させたものの正体である。同院によると、それは、ストルバイト結石であったとのことだ。故に、尿道から膀胱へと結石を押し流し、膀胱を切開して結石を取り出すことで治療は完了となる。

しかし、そう上手く事は運ばなかった。

術後2日目にして、尿道閉塞が再発。
原因は、栓子(炎症産物)であった。
だが、幸いと言うべきか、この閉塞は解除され、非ステロイド性抗炎症薬の短期投与で経過は良好になったという。

上記のことから、ミッドウェスタン大学付属動物病院は、本症例を、若齢猫に尿道閉塞と尿膜管開存症が併発した世界初の症例として報告した。よって、もしも仮に、排尿障害を訴える子猫に遭遇した際には、尿膜管開存症とともに結石症を「念には念を入れて」鑑別リストに追加することが望ましいと思われる。

術後3ヶ月間の経過は良好だとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32231787


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