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小動物臨床における抗生剤の使用状況を明らかにしたオーストラリアの研究

投稿者:武井 昭紘

犬猫に感染症を発症させる細菌の中には、ある特定の抗生剤が効かない、いわゆる薬剤耐性菌が存在している。そして、これらの出現を抑えるためには、抗生剤の適正使用(抗生剤が不必要な症例に同薬剤を使用しないこと)が大変に重要であると言われているのだ。しかし、実際の小動物臨床の現場では、抗生剤の使用に疑問符が立ってしまう症例が少なくないのである—–。

 

そのような背景の中、メルボルン大学は、オーストラリア国内にある130件以上の動物病院を対象にして、過去4年の間に犬猫へ投与された抗生剤の使用状況について解析する研究を行った。なお、同研究では、440万例を超える診療記録がチェックされており、約60万例に抗生剤が使用されていたとのことで、以下に示す結果が得られたという。

◆オーストラリアの小動物臨床における抗生剤の使用状況◆
・犬の診察では、1000回に145回のペースで抗生剤が処方されている
・猫の診察では、1000回に108回のペースで抗生剤が処方されている
・そのうち、抗生剤の使用が重要だと判断できる診察は、犬で38件(38/1000)、猫で47件(47/1000)であった
・最も使用された抗生剤はアモキシシリン・クラブラン酸とセフォベシンであった

 

上記のことから、大部分の使用例において必須ではない、または、不要であるにも関わらず、抗生剤が使用されたということが窺える。よって、今後、この使用状況を更に詳細に分析することで、獣医師が「抗生剤を使いたくなる」ケースを明らかにして、適正使用に向けた課題とは何かについて調べられていくことに期待したい。

外用薬に限定すると、ポリミキシンBが最も一般的に使用された抗生剤だとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32168354


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