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猫白血病ウイルスが「より多く」分布している臓器を検索した研究

投稿者:武井 昭紘

猫白血病ウイルス(Feline leukemia virus、FeLV)は、垂直感染および水平感染のどちらによっても伝播し、感染個体を白血病、血球減少症、免疫不全など様々な病態に陥らせる病原体として知られている。故に、①既に感染が成立してしまった猫から②同居猫へとウイルスが移らないように、①と②を隔離する目的で、①からFeLVの抗原を検出する検査を実施することがある。しかし、この検査に供するサンプルとして一般的に用いられる「血液」では、血液中のウイルスの存在を証明することしか出来ず、全身の何れかの臓器に潜むFeLVの有無を把握することが難しい現状となっている。

そこで、イランの大学らは、血球減少症を呈する猫30匹以上を対象にして、高い確率でFeLVを検出できるサンプルが得られる採材部位を特定する研究を行った。なお、同研究では、末梢血、脾臓、骨髄の3ヶ所から採材しており、そのサンプルを定量的遺伝子検査(reverse-transcriptase quantitative polymerase chain reaction、RT-qPCR)にて解析している。すると、全ての症例(3ヶ所全て)からFeLVのRNAが検出されたとともに、84%の症例で、末梢血・骨髄より脾臓を由来とするサンプルにウイルスRNAが多く含まれていることが判明したとのことである。

上記のことから、FeLVは、末梢血よりも脾臓に偏って分布していることが窺える。よって、今回紹介した研究を基に、脾臓サンプルを用いたFeLV抗原検査の成績を、末梢血のそれと比較する検証が行われ、「本検査に最も適したサンプル」に関する議論が深まることを期待している。

31例のうち、末梢血サンプルがFeLV抗原陽性となったのは、24例のみであったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31856815


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