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クラウドファンディングで誕生した「ある」動物たちのためのモバイルクリニック

投稿者:武井 昭紘

「Vets in the Community」

それは、イギリスはイングランドの中央に位置するノッティンガム大学に所属する学生らが中心となって始めた慈善活動のことで、ホームレスが飼っている犬に健康診断、マイクロチップの挿入、予防(ワクチンや寄生虫予防)といった獣医療を無償提供するサービスである。

 

日本では見慣れない光景なのかも知れないが、海外では、特定の住所・自宅を持たないホームレスも、一般家庭のオーナーと同様に、犬を飼育しているという。しかし、ひとたび犬たちの飼育環境に目を向けると、両者の間にある差は非常に大きく、ホームレスの方々が、一般家庭ほどに、犬たちに充分な獣医療サービスを受けさせることは叶わないのが現状でもあるとされている。それでも、ホームレスの精神的な安定と動物福祉の向上を願って、且つ、彼らにペットライフを心から楽しんでもらうために、その「叶わない現実」をサポートしようという善意が、Vets in the Communityなのだ。

だが、この活動には、特定の診療所、しかも、ホームレスが暮らす地域に移動できるタイプの診療用トレーラー(モバイルクリニック)が用意できていないという一つの悩みがあったとのことで、同団体は、トレーラーを購入する資金30000ユーロ(約360万円)をクラウドファンディングにて調達する計画を立て、2020年、クラウドファンディングを始めてから実に2年もの歳月をかけて、やっと診療用トレーラーを入手することができたという。

 

1400件以上。

これは、Vets in the Communityが設立以来、6年間で積み重ねてきた相談件数である。果たして、診療用トレーラーは、この数字を更に膨らませ、より多くのホームレスとその愛犬を助ける原動力となるか。今後の活躍に期待したい。

モバイルクリニックは、2週に1度のペースで活動を続けているとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/19182/Vets-in-the-Community-launches-new-mobile-clinic


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