小動物臨床において、犬の肝臓のサイズが大きいか小さいかを判定する場合、一つの方法に腹部X線検査が挙げられ、この検査では、胃軸の変位や肝臓辺縁の鈍化の有無、肋骨弓と肝臓辺縁の位置関係が観察されることが一般的である。しかし、前述に示した何れの所見も、数値で表現されるものではないが故に「主観性」が強く、経験の浅い新人獣医師には理解しにくく、且つ、現場で活用しにくい側面を有していることは否めない。
そこで、本稿では、韓国の全南大学校が発表した研究を紹介したい。
なお、同大学によると、臨床上健康なペキニーズの①体重を測り、腹部X線検査にて彼らの②肝臓の厚さ、③椎骨(T11)の長さ、胸部の深さ・幅を測定して、④肝臓の体積(容積)を算出し、②と③の比および④と①の比を決定したところ、他犬種(ペキニーズ以外の短頭種、短頭種ではない犬種)と比べて、両項目とも有意に小さい値となることが確認できたとのことである。
上記のことから、数値によって、中国原産の小型犬であるペキニーズ(健康な個体)の肝臓は「小さい」ことが示されたものと思われる。よって、今回紹介した研究を基にして、最終的に肝臓のサイズを犬種別で判定する計算表(④を自動計算して比を算出するもの)が作成され、臨床現場へと応用されていくことに期待したい。

本研究では、通常、ペキニーズの肝臓の厚さはT11の約4.6倍で、肝臓病を患うと、その数値が有意に変動することも分かっております。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23094756


