歯垢の沈着。
歯石の形成。
歯肉炎の発症。
これらは、犬や猫を飼育していると、多くの家庭で経験するであろう歯の一般的なトラブルである。しかし、「そのタイミング」はと言うと、食餌管理や飼育環境(歯に対するケアの有無など)、または、個体別の要因(品種、年齢、性格、乳歯遺残など)によって実に様々で、歯周病予防を指導する立場にある獣医師・動物看護師であっても、予測は困難と言って過言でないのだ。だからこそ、筆者は、疑問に思う。
『皆が簡単に出来そうなことは、何かないものか—–?』
ここに、ある一つの回答を示した研究が発表された。
なお、同研究を行った世界的なペットフードメーカーHill’s社によると、猫に与えるフードに乳酸を添加したところ、対照群(乳酸の添加なし)と比べて、給与開始2ヶ月目に歯垢・歯石の減少が確認され、その効果が少なくとも1年間は持続することが明らかになったとのことである。
上記のことから、フードへの乳酸の添加は、歯のトラブルを抑える有用な手段だと考えられる。よって、将来的に、「物理的に」歯垢を落とすt/dとは対象的な「フードの構成成分で」歯垢を落とす療法食がリリースされることともに、今食べているキャットフードに添加できる歯周病予防サプリメントがリリースされることに期待している。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31564198