◆藍藻類とは◆
環境省および京都大学の作成した資料によると、藍藻類(blue green algae)は、シアノバクテリアとも称される植物プランクトンで、時折、「アオコ」と呼ばれる大量増殖を起こし、一定以上の水深がある湖、池、沼をライトブルー(青緑色)に染めることのある生物とされている。また、このような藍藻類の一部は、毒素(ミクロシスティン、アナトキシンなど)を作り出す特徴を持っており、海外では、アオコが発生した水場にて訓練をした兵士が下痢になったり、アオコの浮いている水源の水で透析した患者が斃死したりと、ヒトへの有害事象が報告されている。
そのような背景の中、イギリス獣医師会(BVA)は、2019年8月13日、アメリカのノーズカロライナ州で起きた犬のある死亡事故を受けて、藍藻類によるペットの健康被害に関する注意喚起を行った。なお、同会によると、アオコが存在している池で水遊びをした犬3匹が僅か数時間後に亡くなったとのことで、遊泳中の飲水または被毛に付いた池の水を舐めることによって犬の体内に毒素が取り込まれたことが、直接の死因ではないかと推察できるという。
そして、更に悪いことに、現在、サザンプトン、フリート、エジンバラ、コーンウォール、レスターシャー、ダービーシャー、リンカンシャーなど、英国内の至る所で藍藻類が確認されている—–。
故に、ホームページ上にて、BVAは、
有害無害の藻類を見分けることは難しいこと。
藍藻類の毒に対する解毒剤は存在しないこと。
水域付近に建てられた注意を促す標識に眼を向けること。
遊泳後はキレイな水で犬にシャワーをかけること。
これらの事項を良く理解して、犬と遊ぶ場所を慎重に選ぶようにとオーナーに警告をする。
よって、楽しく幸せなペットライフを過ごした後に大きな後悔に襲われないよう、各家庭ごとに「愛犬を守る対策」を考える必要があるのではないだろうか。
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