小動物臨床におけるエキゾチック診療では、再現性の高い安定した獣医療を提供するために、「動物に大人しくしてもらう」ことが非常に重要であるとする概念が、犬猫の診察よりもより一層、遥かに強く根付いている印象を受ける。故に、鎮静・麻酔処置にあっても、突然覚醒しないように細心の注意を払うことになるのだが、チャンバーやマスクを用いたイソフルランによる導入が多用される現状を鑑みると、エキゾチックの麻酔には、今もなお、改善の余地があるものと思われる。
そこで、ウィスコンシン大学は、オカメインコを対象に、麻酔前投与薬の鼻腔内投与の有用性を検証する研究を行った。すると、①ミダゾラム投与群(3mg/kg)では中央値85秒、②ミダゾラム+ブトルファノール群(それぞれ3mg/kg)では90秒の鎮静効果が得られるとともに、①よりも②の方が保定・鎮静中の興奮が抑えられことが明らかとなった。
上記のことから、ミダゾラムおよびブトルファノールの鼻腔内投与は、オカメインコの鎮静に応用できるものと考えられる。よって、今後は、他の鳥類、ハムスター、ウサギなど、エキゾチック全般に本研究の手技が適応できるかについて分析されていくことに期待している。
参考ページ:
https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/ajvr.79.12.1246