人医療では、「肥満は病気に分類する」という概念が広く普及し始めている反面、小動物臨床では、規格化された5段階ないしは9段階のスケールはあるものの、獣医師の主観、オーナーの価値観・理解度、獣医師とオーナーの意識差などによって、統一感のある安定したペットの体型評価を再現することが非常に困難となっている。しかし、視点を変えれば、どのような条件・要因が体型評価の精度に影響を与えるかについて、一つずつ丁寧に解明していくことが叶えば、ペットの適切な体重管理法をアップデートし続けられると考えられる。
そこで、大学らが協力して、ヨーロッパに位置する11か国を対象に、愛犬の体型とオーナーの意識についてオンラインアンケートが実施され、以下に示す事項が判明した。
◆各国におけるアンケートの結果◆
①オーナーが肥満である割合は約20~50%
②犬が肥満である割合は約6~30%
③①に該当するヒトは肥満を病気と認識していない割合が大きい
上記に加えて、アメリカで実施された意識調査を考慮すると、②に当て嵌まる犬を減らすためには、肥満を「治療対象となる疾患」であると啓蒙するとともに、①および②が一緒に参加できるダイエットプログラムの発案が大きな鍵となっているのかも知れない。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30190536