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フィラリア予防薬の購入数が増えるノミ・ダニ予防プロトコールに関する研究

投稿者:武井 昭紘

小動物臨床における予防医療は、ワクチン接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防、消化管内寄生虫駆除など多岐に渡るが、ペットオーナーの経済的理由により、「ベストな予防プロトコール」とならない場合は珍しくなく、その中でも効果が最大限に近づくように、臨床獣医師は「ベターなプロトコール」を考え、提案する必要がある。

このポイントについて、アメリカのメルク社が、ある調査結果を発表した。なお、同発表によると、20万匹を超える犬の予防歴を追跡したところ、12週間有効なノミ・ダニ予防薬の処方(BRAVECTO® Chew)に切り替えると、ノミ・ダニ予防薬を毎月処方していた時よりも、フィラリア予防薬の購入数が増えることが判明したとのことである。

つまり、前述の事象をシンプルに考えると、購入を増やしたフィラリア予防薬によって、愛犬の予防期間の月数が延長したと推察できる。

また、将来的に、上記のアメリカでの事象が、アジア・ヨーロッパ圏でも同様となるかについて調査が行われ、予防プロトコールの再考(費用対効果の向上)またはペットオーナーの経済事情をカバーできる選択肢を増やす事前準備が進むことに期待したい。

フィラリア予防を内服タイプから長期間有効な注射薬に切り替えると、ノミダニ予防薬の購入が増えるのかについても検証が行われると、興味深い結果が得られるのか知れません。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/30170612/


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