犬およびヒトの糖尿病は、血糖値のコントロールが非常に重要な治療の一つとなっており、①製剤の使用、②膵島の移植などによってインシュリンを補う手法が用いられている。ただし、獣医療における既存の糖尿病管理を更に効率化・向上させようとした時に、
①は犬由来のインシュリンではないこと、②は拒絶反応のリスクを伴うことが大きな壁(課題点)として立ちはだかってしまう。
そこで、アメリカのパデュー大学は、マウスの糖尿病管理の研究で開発した「注射型膵島移植法」を犬の糖尿病管理に適応する臨床試験をスタートさせることを発表した。なお、同手法はコラーゲンカプセルの中に膵島細胞を入れて皮下注射するもので、少なくとも90日間効果が持続するとのことで、侵襲度の高い開腹手術を必要とせず、インシュリン製剤のようなペットオーナーのQOLに影響を及ぼす毎日の注射処置を回避できる利便性を誇っている。
上記のことから、犬の糖尿病管理における「注射型膵島移植法」が確立すれば、獣医療に革命的な変化を齎すかも知れない。
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