周術期の疼痛管理は、術後の回復を左右する重要な医療の一分野であり、多岐に渡る麻酔薬の選択および使用方法がキーポイントとなっている。その中でも、局所麻酔薬は、全身麻酔薬の投与量を減らすために有用で、特に、ヒトと共通言語を持たないペットを対象としている小動物臨床への適応は積極的に検討するべきである。
そこで、カンザス州に拠点を置くAratana Therapeutics社は、既に犬の前十字靱帯断裂を修復する手術の局所麻酔薬として製品化されたNOCITA®を猫の不妊手術に使えるようにするため、アメリカ食品医薬品局(FDA)に申請を行った。なお、同薬剤はリポソーム製剤に分類され、長時間(72時間)の鎮痛効果を発揮する特性を持つ。
仮に、申請が承認されれば、屋外で暮らす猫の不妊プログラムや何らかの理由により術後の再診が難しい症例に対して、安定した長い疼痛管理を施せるのではないだろうか。
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