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犬の前十字靱帯断裂に対する術式TPLOにおける感染症を抑止させるプロトコール

投稿者:武井 昭紘

急に過度な運動をしたヒトやアスリートに起きる前十字靱帯の断裂は、関節の不安定化に伴う半月板損傷、炎症、疼痛が発生してしまうため、手術が適応されるケースがある。また、当該疾患は犬にも認められ、様々な術式が考案されてきた経緯を持ち、その一つの有用な治療法として、TPLO(tibial plateau leveling osteotomy、脛骨高平部水平化骨切り術)が挙げられる。しかし、このTPLOでは、患部の感染症(合併症)に対する充分な配慮が術後の経過を大きく左右するため、合併症を抑えるプロトコールを検証し、規格化していくことが獣医療の課題と言える。

そこで、ノースカロライナの動物病院らは、700匹を超えるTPLO適応症例(手術を施した膝は800以上)を対象に、合併症予防プロトコールの効果について調査を行った。すると、文献に記された術中から術後の管理法によって、合併症を約90%軽減できることが判明した。

上記のことをモデルにして、TPLOの治療成績を更に向上させる合併症予防プロトコールの確立が進んでいくことに期待したい。

本研究のプロトコールで劇的に感染症を抑え込めますが、少数例にて感染症(メチシリン耐性菌)が発生するとのことです。やはり、日常診療での耐性菌対策は重要であると思います。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29878479


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