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ペットライフにおけるオーナーの介護者負担感を客観的に評価した研究

投稿者:武井 昭紘

欧米では「責任を伴う所有権」、日本では「終生飼養」と表現される通り、動物福祉および殺処分ゼロの何れの観点からも、ペットが寿命を迎えるまで飼育し続けることが非常に重要だと考えられている。しかし、ヒトと同様、高齢動物のケアには「介護」が含まれることがあり、オーナーへの負担が、オーナー自身のQOLに大きな影響を与え、ペットに残された命を左右するケースも珍しくない。

そこで、アメリカの動物病院とカンザス州立大学は、オンラインアンケート形式で、介護者負担感(caregiver burden、CB)を評価する研究を行った。すると、小動物臨床におけるCBは、ペットの要介護レベル(症状や問題行動)と深く結び付いており、以下の2点で軽減できることが明らかとなった。

◆CBを軽減させるポイント◆
①ペットの要介護レベルに対するオーナーの理解度
②介護対象動物を自分自身が管理できるという実感(コントロール感)

上記のことから、①②を向上させる要因に関する研究を進めるとともに、ペットの高齢化に併せた①と②に対する啓蒙セミナーまたはイベントの開催を積極的に検討していくことが、最期の時まで幸せなペットライフの強力なサポートに繋がるのではないだろうか。

①および②の評価方法が、グローバル化(規格化)されていくことも、小動物臨床におけるCBを普及させていくキッカケになると思います。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29871745


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